ブラックアジア in ジャパン
私の目の前に現れた女性は、30代を少し過ぎた「ごく普通の女性」だった。もっと正確に言うと、限りなく地味に近い普通のタイプというべきだろうか。

中肉中背でベージュを中心にした上着にラフなジーンズ、肩までの黒髪にほとんど素のような化粧。風俗嬢なのに「女」を意識して強調した部分はほとんどなかったと言ってもいい。

ここ1年で私は数十人もの風俗嬢と会い続けたが、もしかしたら彼女が一番「普通の女性」に見えたかもしれない。

話しぶりは落ち着いていて、初対面の私に対してもほとんど物怖じせず、イスにちょこんと座ってこちらを見つめる姿は、まるで会社の面接でも受けようとする女性のようにも見えた。

しばらく「寒いですね」と天気の話をしたが、なまじ普通の話をしたが故に、彼女に「本当に風俗の仕事をしているのか」と尋ねるのがぶしつけのような気がするほどだった。

しかし、彼女は紛れもなく風俗嬢であり、さらに言えば「特殊なタイプ」の風俗嬢だった。

「お客さんは全員、障害者なんですか?」

私は彼女に尋ねると、彼女は「そうですよ。障害を持った人だけですね、お客さんは」と、にっこりと笑いながら答えてくれた。そして、このように付け足した。

「いろんな方、いますよ」

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