インド女性は若い頃は非常に美しいのだが、それが三十路に入る頃になると一変していることが多い。突如として、もはや救いようがないほどに太ってしまう。

全員がそうではないのは当然なのだが、悲しいことにかなりの確率で別人のようになっていく。

今ではグローバル化の風潮が入ってきて、太った女性よりも痩せた女性の方が魅力的だという意識が若者たちの間から定着してきている。そのため、インドの中産階級より上の女性たちからダイエットに励むようになったと言われている。

しかし、かつてのインドは「太った女性の方が魅力的だ」という文化があった。

インドは圧倒的に貧困層が多い国で、貧困層は必然的に痩せていく。太った女性というのは夫や家族が裕福であるという証拠であり、だから太った女性は魅力的だと思われるようになった。

そうなると「豊かで魅力的に見られたい」という見栄のようなものが生まれるようになり、貧困層でも女性が必死で太るように努力するようになる。

また夫も妻が痩せていると「お前は妻に食わせることもできないのか」と言われるわけで、貧困状態であっても夫もまた妻を太らせようと何とかする。


貧困層であろうが何だろうが関係なく太る社会


アフリカでも「太った女性の方が魅力的だ」という文化を持つ国々が大勢あるのだが、それは裏を返せば「放っておけば食べるものがなくて痩せていくから」である。

誰もが貧困で、どの女性も骨と皮のようにならざるを得ない社会では、太った女性というのはステータスだ。そんな妻を持った男もまた一目置かれる。それが、貧困国の事情であったと言える。

今でもインドの中高年以上は「その文化、その意識」を捨てていない。そのため、インドでは太った女性も、ある程度はその体型が許容される社会になっている。

だから、今のインド女性は貧困層であろうが何だろうが関係なく太っている。

ダリットと呼ばれる超貧困層の女性の中には骨と皮のようになった女性もいるのだが、そうでなければどの女性も一様に太る。物乞いの女性ですらも三十路を過ぎると太る。

先進国の女性も三十路を過ぎると急激に太ることが多いのだが、先進国の女性はまた違った社会システムで太る。

先進国からはとっくの昔に社会から飢餓が消え、さらに食の工業化によって、安く安価なお菓子やスナックや食事が溢れるようになっている。

炭水化物・脂肪・砂糖が豊富に含まれた食べ物が街のあちこちに溢れ、朝から晩まで流されるメディアのコマーシャルによって人々は食欲を刺激される。そして洗脳される。

そのため、先進国の女性たちは少し油断するといくらでも食べ過ぎて太ることになる。太りたくないと思っても、気が付けば食べ、油断すれば肥満に向かうのである。

太る社会的な環境は違うのだが、結論から言えば社会がどうであれ、女性は三十路を過ぎれば太っていきやすい傾向にあるというのが結論だ。



コルカタで物乞いをして生計を立てている物乞いの女性。彼女のことは10年前から知っている。信じられないかもしれないが、彼女は若い頃、野生の鹿のように鋭い目と華奢な身体を持つ美人だった。彼女ほどの美人だったら、金持ちの男に拾われると思ったのだが、その前に太って容姿を損なってしまったようだ。

炭水化物・脂肪・砂糖にまみれた食べ物


どのみち、人間の身体はエネルギーに満ちた20代を過ぎれば、徐々に動くのが億劫になり、一日に消費するエネルギーは減ってしまう。だから太りやすくなる。

さらに30代を過ぎれば古い細胞が新しい細胞に入れ替わる新陳代謝の力も落ちていく。

何もしないでも消費されるエネルギー量のことを基礎代謝量というのだが、この基礎代謝は20代に入る頃にはすっかり落ちている。

それは、「消費されるエネルギーが減ったので痩せにくくなった」ということを意味している。

動く量が減って痩せる力も同時に減るのだから、食べる量が同じであっても年を取ったらどんどん太っていくというのはそういうことだ。

そんな状況なのに、現代社会では炭水化物・脂肪・砂糖にまみれた食べ物がいつでもどこでも手に入るのだから、太らない方がどうかしていると言っても過言ではない。

個人差もあるが、普通の人は放っておけば太る。それも、凄まじく太る。「太る」ことが標準の社会になると、今度は痩せた女性が魅力的になるのは、そういうことだ。

女性が痩せていく社会では太った女性が魅力的で、女性が太っていく社会では痩せた女性が魅力的なのである。女性は、どの時代になっても「努力」が必要だった。

だから最近は若いインド女性からダイエットに目覚めるようになって痩せる努力をしているのだが、それでもインド女性が痩せるのはハードルが高いようだ。

インド料理は単純に量が多い上に、猛烈に甘くできている。貧困で栄養が足りなかった社会が長かったので、一食で多くのカロリーが取れるようにできている。豊かになってそれを常食するようになると、太るようにできている。

インド料理と言えばカレーにナンなのだが、このナンですらも油脂と砂糖が含まれている。

かつては常食できなかったので、貧困層にはそれでよかったのかもしれないが、今は常食できるようになったのでそれが仇(あだ)になっている。



インドでは、どこでも見る女性たち。これくらいはインド人の感覚では太っているうちに入らないようだ。

30代を過ぎれば途端に極度の肥満に見舞われる


女性が太っているかどうかは、別に厳密にBMI値を調べなくても見れば分かる。インドを歩くと、日本よりも太った女性が多いというのは一瞬で分かる。

インド女性は太りやすいというのはイギリスが過去に何度も研究成果を発表している。

2016年4月もウォール・ストリート・ジャーナルが英医学誌「ランセット」を引き合いに出して「インドでは男性よりも女性の方が肥満になる可能性が高い」と記事にしている。

現在のインドでは女性の2000万人が肥満とされているのだが、この2000万人というのはWHO(世界保健機関)が発表した数字でもある。

WHOはこの2000万人の肥満のうち400万人が「過度の肥満」であると結論づけている。

肥満が許される文化だから肥満なのか、食文化のせいで肥満なのか、体質で肥満なのか、それともそのすべてが合わさって肥満なのか、何とも言えないところがある。

1975年は肥満の女性は今よりも25分の1の人数である80万人程度であったと言われているので、インド女性だけが狙い撃ちで太りやすいというのは間違っているように思える。

しかし、いずれにしても「現代のインド女性」が体型を維持するというのは相当なプレッシャーであり、難しい仕事であるというのは間違いないようだ。

なぜ私がインド女性の肥満にこだわっているのかというと、私自身は個人的にインド女性のあのエキゾチックな外見と顔立ちが大好きだからだ。

そして、あの女性たちが30代を過ぎれば途端に極度の肥満に見舞われて、せっかくの美しさが消し飛んでしまうことに残念な気持ちになっているからだ。

最近、30代や40代を過ぎた日本女性がまるで20代のような肌の美しさを保っているのを見ているので、ことさらインド女性の早すぎる容姿の衰えが気になる。

世界一美しい素材を持った女性たちなのに、それが長持ちしないのである。それが個人的には残念だ。何とかならないのだろうか、と他の国のことながら考え込んでしまう。




「インドの宝石」とも言われたアイシュワリヤ・ライも、油断すればこんなことになってしまう。世界一美しい素材を持った女性たちなのに、それが長持ちしないのである。それが個人的には残念だ。


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