2001年、シンガポールの売春地帯であるゲイランをさまよい歩いている時のことだが、今でも覚えていることがある。

ここでストリート売春をしていたひとりの女性がいたのだが、彼女はスラリとして背が高く、とても色白で美しかった。

私はしばらく彼女がタイ女性だと思ったのだが、「タイのどこから来たの?」と尋ねたとき「私、タイ人じゃないの。ラオ(ラオス)から来たのよ」と答えた。

私が知っているラオス人というのは、肌の色が褐色に近い女性たちばかりだったので、私は驚いて「こんなに白い肌のラオス人はいるの?」と思わず聞いたものだった。

「ラオス人と言っても、真っ黒の人もいれば真っ白の人もいるのよ。私はタイ人とラオス人のハーフなの」と彼女は答えながら柔和に私を見て笑っていた。

タイでもイサーン出身の女性は褐色の肌をした野性味溢れる女性が多いが、チェンマイ出身の女性は肌がとても白くて清楚な雰囲気を漂わせている女性が多い。

私はラオスのことはほとんど知らないのだが、ラオスにもそうした地域ごとの違いがあって、ひとことでラオス人と言ってもそれぞれ違っているのだと彼女を見てて思い知ったのだった。

肌の白いラオス人の女性のことは今も忘れていない。とても印象深い女性だった。


注目を浴びているラオス代表の「ワンマイ」21歳


ところで、話はまったく変わる。

最近タイで行われるミス・コンテストに「ワンマイ」という名前の21歳のラオス代表が注目されているのだが、このワンマイもまた一般的なラオス人のイメージを覆すような肌の白さなのである。

長く清潔な黒髪、やや太めの眉、さりげない口紅、長身なのに華奢な身体のライン、スラリと伸びた足。ワンマイという名の21歳のこのラオス人はそのすべてを持っている。

まだコンテストは始まっていないのにも関わらず、タイとラオスで非常に話題になっているので、それだけ「美貌」が注目されているということでもある。

日本人の男たちが求める美とは少し違うのかもしれないが、それでもワンマイの美貌に惹かれる男も多いのではないだろうか。美の概念は国によってまったく違う。しかし、美しいと感じる感性は人間である限り、そう変わらない。

ワンマイは現在、コンテストのためにタイに滞在しているのだが、そこでインタビューに答えて自己紹介をしている。このような内容だった。

「こんにちは。私の名前は、ワンマイ・モントチャンパ・タンマヴォンです。21歳です。私はラオス人です。今、私はタイに来ています。ミス・インターナショナル・クイーン2016のコンテストのためです」

「私は服飾関係のファッション・デザインの学生です。自分の夢を実現するためにも、このコンテストに出場することは私にとって重要なことでした」

「私はモデルとしても働いています。モデルとして働くことによって、いろんな経験が得られますし、私にとってよいレッスンにもなるからです。良い経験をたくさん積むことで、若い世代の良い例になれるはずです」

とても真面目な気質であることが窺える。



ポーズを取るワンマイ。首がながく、腕もとても細く、ボディーラインがとてもセクシーだ。


東南アジア女性独特の合掌(ワイ)をするワンマイ。うなじがとても色っぽい。ワンマイは東南アジアの彫刻に見られる天女(アプサラ)の顔立ちそのものだ。


ラオスの伝統服に身を包んでにっこりと微笑むワンマイ。とても清楚な雰囲気がある。

普段のワンマイはどんな感じなのだろうか?


ところで、普段のワンマイはどんな感じなのだろうか。彼女の私生活の写真では、このような感じのようだ。ワンマイを見て、「ラオス人だ」と分かる人はほとんどいないだろう。

いや、その前に国籍を気にする人もいないかもしれない。ワンマイの美貌を堪能したい人はいくつか写真を見つめて欲しい。



このスラリとした長い足をさらに長く見せるハイヒール。これだけで常人離れしているのが分かる。


これは中国人が好みそうな化粧だ。雲南省の女性モデルにこのような顔立ちのモデルがいたように思う。


髪の色を変えて、黒目のカラーコンタクトをしてイメージを変えたワンマイ。こうした雰囲気を好む男もいるだろう。


さらにガラリと雰囲気を変えて、シックなドレスに身を包むワンマイ。モデルの仕事をしているだけあって、着こなしがうまい。


丸いファッショングラスとぬいぐるみでフェミニンなイメージを強調するワンマイ。こうした雰囲気作りはひとつひとつ計算されている。

ミス・インターナショナル・クイーン2016


ワンマイが出場する「ミス・インターナショナル・クイーン2016」はとても有名な「レディーボーイ」のコンテストなのだが、21歳のワンマイ・モントチャンパ・タンマヴォンを見て、彼女が性別で言えば「男」であると街を歩いて気付く人はひとりもいないだろう。

ワンマイが実はレディーボーイであると分かっても、「それでもいいから付き合いたい」と思う男も中にはいるかもしれない。

それほどワンマイは女性になりきっている。

ワンマイのような完璧なレディーボーイは、実はタイではもう珍しいものではなくなってしまっている。

最近はパタヤがレディーボーイの聖地となっており、彼女が出場する「クイーン2016」や「ミス・ティファニー」など、いくつものコンテストが開かれて世界中に生放送されるほど人気になっている。

そのせいでパタヤのレディーボーイは、もはや本物の女性と見分けが付かないほどのレディーボーイが女性に紛れ込んでいて、最後の最後まで気付かないことすらもある。

「レディーボーイは見抜ける」と自信満々だった私でさえも、未だに見抜けないこともある。(ノック。レディーボーイは見抜けると思っていたのだが……

レディーボーイがあまりにも美しくなりすぎると、ややこしい問題が起きる。

「もう、ここまで女性化しているのであれば、男でも女でも関係ない」と悟る男も登場するし、彼女たちがトイレを使うとき、どちらのトイレを使うべきなのか、という問題も起きるし、タイには兵役もあるのだが、彼女たちをどう扱えばいいのか、という問題もある。

ワンマイのようなレベルまで突き抜けてしまうレディーボーイが増えると、私たちは女性の定義をもう一度考えなければならないのかもしれない。

あなたは、ワンマイとなら付き合えるだろうか?



ワンマイと街をすれ違って、彼女がレディーボーイだと気付く人はほとんどいないだろう。ワンマイのようなレベルまで突き抜けてしまうレディーボーイが増えると、私たちは女性の定義をもう一度考えなければならないのかもしれない。



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