二十歳の頃に東南アジアの売春地帯を知ってから、私は真夜中の住民となった。以来、私は夜に起きてひとりでうろうろ街をさまよう生活を好むようになった。

どこでも真夜中をうろついている。東南アジアでもインドでもスリランカでも、果てはニューヨークでもメキシコでも、私は誰もいない真夜中のストリートをさまよい歩いて来た。

今でも、真夜中の街をうろつくのが止められない。

繁華街でも住宅街でも工場跡でも貧困スラムでも、私は真夜中を歩いて何かを探し求める。時々、売春をする女たちに出会うこともあるが、そうでないこともある。

絡みついてきた女性に興味が持てれば、私は彼女と一緒についていく。そのときは拒まない。それが私の人生だった。しかし、何もなければそれはそれで構わない。真夜中が好きだからだ。

日本では東京や大阪の歓楽街を歩くのが好きだ。倒れた酔っぱらい、水商売の女たち、呼び込み、チンピラ、ホスト、ホームレス……と、真夜中にお馴染みの人間が勢揃いして私を楽しませてくれる。

最近も午前3時の大阪道頓堀を歩いていたのだが、観光客が消えた素の道頓堀はこんな感じだった。


午前3時の大阪道頓堀は、こんな光景だった



真夜中の3時過ぎ。朝から晩まで観光客でいっぱいの道頓堀だが、さすがに人はほとんどいない。ただ、皆無ではない。24時間営業の店もあるので、こんな時間でも買い物をしている中国人の姿も見かける。貪欲だ。


柱に寄りかかって意識を失ってしまっている男。このまま朝までこのままだろう。


誰も起こさない。柱によりかかった身体は、ゆっくりと確実に崩れていく。


他にも仲間がいる。このあたりに詳しい人によると、金曜日の夜になると大量の酔っ払いが道に倒れて寝ているのだという。


水商売は真夜中の3時過ぎでもまだ普通に開いている。多くの女性がストリートを闊歩する。


飲食店から出てきてフラフラと歩いている女性もいる。私服のようだが、明るい色に染められた髪が印象的だ。彼女もまた水商売の女性なのだろう。


大阪名物たこ焼きを食べさせてくれる店。真夜中過ぎでもやっている。その上はホストの宣伝を流している動く看板だ。


セーラー服を着た女性もいる。本物の高校生なのか、それともどこかの店のコスプレなのか分からない。腕を組みながら仲良くどこかに消えていった。


真夜中でも普通に開いているドラッグ・ストア。中をのぞくと中国人が買い物している姿があった。中国人の女性の間では、日本の化粧品は人気だ。真夜中にゆっくりと品定めしているのだろう。


宗右衛門町。正確には「そうえもんちょう」だが、大阪人は「そえもんちょう」と呼ぶ。道頓堀の北側にある名の知られた盛り場だ。


女性ふたりが手をつないで楽しそうに宗右衛門町を歩いていく。どういう関係なのだろう。韓国女性なのだろうか、それとも仲の良い日本人女性同士なのだろうか。


ここでも酔っ払いがそのまま寝込んでいる。朝起きたら右足の血行が悪くなって歩けないだろう。


呼び込みの少女なのだろうか。それとも非行少女なのだろうか。数人で道に座り込んで道を歩く人たちを見ている。


商店街はマクドナルドのような店以外はほとんどが閉まっている。マクドナルドの入口には救急車が止まっていて、飲み過ぎた少女が吐きながら担架で運ばれていた。ハメを外しすぎた少女の姿は真夜中のストリートの定番だ。


ホームレスの姿もある。まるでスポットライトでも浴びているようなホームレス。


戎橋(えびすばし)。このあたりはナンパスポットになっているということで、現地では「ひっかけ橋」と呼ばれているのだという。しかし、最近はナンパスポットというよりも、キャッチスポットになっている。


戎橋(えびすばし)から道頓堀川を見てみる。終電を逃した多くの人が、このあたりで時間をつぶしている。


道頓堀川の両側が歓楽街の建物が並び、とても雰囲気が素晴らしい。


戎橋前でたむろしているキャッチ。こんな時間でも彼らのビジネスは続く。彼らのほとんどは歩合制で個人によって収入はまちまちだ。月に約20万円いくかいかないかの収入が平均であるとは言われている。


街をウロウロしているうちに、向こうの方から徐々に夜が明けてきた。


さらに街を歩いていると、「かすうどん」という看板が見えてきた。「かす」というのは、牛の小腸をカリカリになるまで揚げたものを言うらしく、大阪名物になっている。大阪はこうした食べ物の工夫が凝らされていて面白い。


水商売の女性に、ビール瓶を運ぶ男の姿が見える。酒と女で夜の街はできている。


仕事帰りだろうか。どこかの店のママのような出で立ちの女性と、寄り添う男。


ここでキャッチの姿が見える。キャッチは女性であったり男であったりする。


雑居ビルにはびっしりとバーが入っている。8階にはゲイ・バー「トラウマ」という店が入っている。インパクトある名前だ。目立っている。


夜が明けてきて、仕事帰りの女性の姿が目立ってくる。


雑居ビルなのに、かなり目立つのが「エイト・ワン・ビルディング」だ。儲かっているということなのだろう。


前を歩いている女性は地方から来た女性のようで、大阪弁を話しているのだが、どこか違和感のある大阪弁だった。


ルイ・ヴィトンのバッグを抱えて颯爽と歩いていく女性。彼女も恐らく仕事帰りなのだろう。水商売の女たちもまた昼夜逆転の中で生きている。


荷物を押して繁華街をいく年配の女性。背中にも大きな荷物を抱えている。もしかしたらホームレスだったのかもしれない。


ラーメン屋「金龍」の向こうに月が見える。空の色で夜が明けてきたのが分かる。


すっかり明るくなった道頓堀。朝が来たら、私の真夜中の散歩も終わりだ。


年季の入ったホームレスが寝込んでいた。

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