ブラックアジア in ジャパン
変態たちの女神は無邪気だった。そして、天真爛漫だった。話し方も、態度も、おてんばな少女が仔犬をいたぶって遊んでいるかのような雰囲気があった。

「わたし、人間の身体の限界が分からないから」

それで、SMを止めてフェチ的な性風俗に流れて、そちらに居ついた彼女は、SM店でお客さんを殺さなくて良かったと明るく笑うのだった。

「ムチとかも使っていたの?」と尋ねると、彼女は当然という表情でうなずく。

「うん! あまり好きじゃないんだけど使ったよ。お客さん、血だらけになっちゃうの!」

あまりに、あっけらかんと言うので彼女と一緒に笑うしかなかった。確かに言っていることは異常な世界の話なのだが、あまりに無邪気なので、私は妙な好感すら彼女に感じていた。

私はSMをする女性というのは、心の底に男に対する怒りや氷のように冷めた感情があって、一片の親しさも見せないまま男をムチで打ちすえるようなタイプだと思っていた。

恐らく、そのような冷酷タイプの「女王様」はいるのだろう。しかし、彼女はまったくそれに当てはまらなかった。男に悪意がなく、それでいて男をいたぶるのが好きという女性だったのだ。

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