世界中どこでも、女性が化粧を施して「別人」になる。まったく別の顔を人工的に作り上げる。別人度のレベルについては女性によって様々だが、化粧をするというのは基本的に違う印象の顔になるということでもある。

本当の顔がどんな顔なのか、付き合っている男はまったく知らないこともある。

しかし、これを問題視する男はほとんどいない。男は「美しい女と一緒にいる」という夢を見るために、あえて付き合っている女性の「現実の顔」を見ない。

そして女性の方は、化けることによって自己満足を得られると同時に、男たちに夢を見せることができる。これに関しては、両者の虚飾と打算が見事なまでに一致している。

深く知らない方が幸せな現実は世の中に存在するのだ。

結婚して一緒に生活するようになると、さすがに男も自分の配偶者の本当の顔を知ることになる。結婚して自分の妻には「眉毛がない」ということに気付いて仰天する男さえいる。

自由な眉毛を化粧で「創作」するために眉毛をすべて脱毛してしまう女性は少なくない。しかし、「結婚したら妻に眉毛がなかった」ということで離婚した男の話は聞かないので、男たちはそれを許容したのだろう。


女性のメイクアップ技術がユーチューブで向上した


最近の化粧はとても進化して、化粧の「テクニック」なるものもインターネットで共有されている。

たとえば、ミシェル・ファンはそれで全世界の女性たちの注目を集めるようになり、ユーチューブで大きな成功を収めた。

彼女は自らを「メイクアップ・アーティスト」と呼ぶ。様々な化粧の方法を教え、提案し、絶大な支持を集め、今や彼女は事業家でもある。(学歴も資格も意味のない時代は、ミシェル・ファンを目指せ

ミシェル・ファンに続いて多くの女性が化粧のテクニックをユーチューブでコーチしている。

今までどのようにしたらいいのか分からなかった「プロの化粧テクニック」がユーチューブ等の動画で公開され、女性のメイクアップ技術がさらに向上した。

こうした動画を見ていると、女性が化粧ひとつでまったく違う顔を手に入れるのを実際に見て唖然とすることになる。ひとりの女性が化粧を変えることによってまったく別人の雰囲気を醸し出すのである。

実際に化粧で顔が変わるというのが分かっていても、呆れるほど変わっていくのを見ると本当に驚きを隠せない。場合によっては素顔の原型すらも保っていないこともある。

ある意味、詐欺的なテクニックであるとも言える。

しかし、多くの男は化粧には関心を持たないので、いかに驚異的な変身が起きているのか深く考察することもなく、彼女の素顔の原型すら知らないまま、目の前の女性たちと付き合うことになっていくのである。

私も驚愕した想い出はいくつもある。感嘆どころか、恐怖におののくことさえもあった。彼女のことは今も忘れられない。人生で最も驚いた出来事だった。(シャワールームに女が入り、見知らぬ女が静かに出て来た夜

本当に化けた女性は恐ろしい。メタモルフォーゼ(変身)した女たちに、男はあまりにも無力だ。




化粧と言えば、夜の女たちは化粧の濃い女性も多い


しかし、化粧とひとことで言っても、女性ひとりひとり化粧に対するスタンスがとても違っていて興味深い。

ほとんど素顔に近い化粧を好む女性もいれば、思わず凝視してしまいそうなほど濃い化粧を好む女性もいる。

ひとりの女性が、時と場所と場合に応じて化粧を変えることも珍しくない。普段は薄化粧で、パーティーの時は厚化粧にする女性も多い。

男の好みもまた千差万別で、薄い自然な化粧を好む男もいれば、濃い派手な化粧を好む男もいる。

一般論で言うと、日本人の男たちは自然な化粧をしている女性を好み、欧米人は派手な化粧をしている女性を好む傾向があるが、こればかりは一般論で括れないほど多様ではある。

薄い化粧の女性を見て「清楚で清潔な化粧を心がけていて実に女らしい」と思う男もいれば、濃い化粧の女性を見て「男のために一生懸命に化粧をしているのだから実に女らしい」と思う男もいる。

化粧と言えば、夜の女たちは化粧の濃い女性も多い。

東南アジアや南アジアのような常夏の国の女性は、すぐに汗だくになって化粧が汗で流れてしまうので、あっさりした化粧で済ます女性も多い。それでも異様なまでの厚化粧を好む女性も大勢いる。

お国柄でも違っていて、カンボジア女性は昔からやけに厚化粧を好む傾向がある。

濃い化粧は、年齢を消し、素顔を消し、肌の荒れを消し、派手にすることで性的なアピールも強くできるので、夜の女たちには必須でもある。

歓楽街で猛烈に濃い化粧の女性というのは、だいたいが裏を持った女性だから濃い化粧の女性が多い。それで男が喜ぶという前に、何かを隠したいという無意識も大きいのだろう。




世の中には絶対に知らない方が幸せなこともある


化粧は、今後の社会でますます重要なものになっていく。なぜなら、今はインターネットの時代であり、スマートフォンの時代であり、SNSの時代だからである。

人々は出会いと雑談と報告の場をリアルからインターネットに移している。

女性たちは自分の近況を知らせるために、スマートフォンで自分で自分の写真を撮って、それをSNSに上げて見てもらうことが今や日常となっている。

この場合、いかに写真映りが良いかが大きなポイントになり、インパクトになる。「きれいな自分」がそこに写っているのは最重要課題なのである。

もっと別の言い方をすると「盛れている自分」がそこにあることが必須なのだ。

かつては「人は見た目が九割」と言われていたが、今や「見た目が99%」にまで到達しているのではないか。

そのために最近では肌の修正を自動的にしてしまうソフトやら目を大きくするソフトやら、肌を白く修正するソフトやらが乱立している。

さらに、女性が自分を修正するためにフォトショップのような高度なグラフィックソフトまで覚えるようになっている。

しかし、そうは言ってもすべての写真をことごとく修正する手間も大変なものになるので、女性にとっては基本中の基本である「化粧」は絶対に欠かせない。

かくして、女性はどんどん化粧の方法を追及するようになり、ユーチューブで化粧の方法を学んで、まったく素顔が分からないような変身を遂げていく。

もうそんな時代になった。

男にとって幸せなのは、その女性がまさにその女性自身に合った絶妙の化粧をしてくれていることだろう。

個人の個性にぴったりと合致して、調和していて、しかも彼女のいる場面に相応しいものであれば、その美しさを素直に堪能すべきだ。

それ以上余計なことを考えてはいけない。

余計なこと……、たとえば彼女の素顔などは想像してはいけない。世の中には絶対に知らない方が幸せなこともある。素顔を知ってどうしようと言うのか。






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