人は誰でも自分でまったく意識していないのに、無意識に同じ行動パターンを取ることが往々にしてある。

たとえばタバコを吸う人は、何らかの集中した意識が途切れたときに、自分でも気付かないうちにタバコを取り出して吸い出すことがある。

それは深い無意識で行われる。そのため、中には禁煙である場所でも、何の考えもなしにタバコを口にくわえてしまうことがある。

ほっとした余裕のある時間が持てたとき、つい食べ物に手を出す習慣を持つ人もいる。あるいは、喉が渇いていなくても何か飲み物を飲みたい人もいる。

金曜日の夜にいつも飲んだくれている人は、そうしようと思っていなくても、その日になれば無意識に酒場に寄って飲んだくれてしまうことがある。

人は誰でも生活の中で「無意識に同じ行動パターンを取る」ことが往々にしてあり、それを「習慣」と呼ぶ。

「いや、自分にはそんな習慣と呼ぶものはない」と言うのは、自分で気付いていない。他人が客観的に見れば、明らかにその人特有の無意識が次々と見つかる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

意識すらもできないのが「習慣」の恐ろしいところ


人には良い習慣もあれば悪い習慣もあるのだが、問題になるのは悪い習慣の方だ。誰でも「明らかにこれは問題だ」という習慣がある。止められない悪い習慣が、誰でもある……。

この習慣は、もちろん自分が無意識で繰り返してきたものが固定化したものであり、なかなか止められない。そして場合によっては、変えようと思っても不可能な場合もある。

アルコール依存や、ドラッグ依存は、誰でも悪い習慣であるというのは分かっている。その習慣が止められないのは、そこに依存性があるだけでなく、裏に依存に至る「考え方」に一定のパターンがあることが多い。

ある人は、嫌なことがあるとアルコールに逃げるという「考え方」を長年に渡って持つ。

それが繰り返されて最終的にアルコール依存になるのだが、それは「嫌なことがあるとアルコール」という本人が気付いていたのかどうか分からない習慣が積み重なって生まれてきたものである。これは、誰が見ても悪い習慣だ。

性別に関係なく、孤独を感じたり、プレッシャーを感じたり、ストレスを感じたりすると、性的快楽に溺れることでそれを鎮める「習慣」を持つ人もいる。

人生の重圧から逃れるためにアルコールやドラッグに溺れるのと同じく、セックスという強い快楽に溺れて一時を忘れようとする「習慣」なのだ。

その習慣はすでに無意識になっているので、本人すらも何が自分を駆り立てているのか気付かないままそうなる。

いつも粗暴犯で逮捕される犯罪者は、自分に冷たくする人を見ると激怒するという「習慣」があって、その習慣を習慣と思っていないことによって、犯罪から縁が切れない。

悪い習慣が固定化し、無意識の行動パターンと化す。それで身を滅ぼすのだが、それを分かっていても長い習慣が身に付いて無意識になっているので止められない。

意識すらもできないのが「習慣」の恐ろしいところだ。



プレッシャーを感じると、爪を噛むという習慣を持つ人もいる。爪がなくなってしまうまで爪を囓っている人すらもいる。長年の習慣が固定化されて無意識になっており、止められない。

知らない間に、いつの間にかそのような反応をする


良い習慣も悪い習慣も、それが長く続いていくうちに固定化した行動パターンになる。そして、やがては無意識となり、その無意識が自分の人生を左右することになる。

粗暴な態度、粗暴な口調が習慣になっている人がいる。それが習慣になると、そのままその人の特徴になって、変えることができなくなる。

人生が壁にぶつかると自暴自棄になってすべてをブチ壊す習慣を持っている人がいる。そうなると、壁にぶつかるたびに同じ反応を示す。

長い人生の中で、何らかの壁にぶつからない人などあり得ないので、そうなると壁にぶつかるたびに自暴自棄に陥って人生を破壊し続ける。

本当に恐ろしいのは「心の習慣」だ。

「このようなシチュエーションのとき、自分はこうしてしまう」というのは、無意識の領域なので、ほとんどの人は心の習慣を意識することがない。知らない間に、いつの間にかそのような反応をしてしまっている。

それは実は「重大な習慣」なのだが、本人はその習慣がまったく分からないで、問題を深刻なものにしていく。問題行動よりも、問題行動に至るまでの「習慣」が実は重要なのだ。具体的に言えば、以下のようになる。

「酒を飲むという問題行動よりも、ストレスがかかると酒を飲むという心の習慣を知ることが重要だ」

「ひっきりなしに不特定多数の人間と性行為に走るという問題行動よりも、不安になると性的快楽に走るという心の習慣を知ることが重要だ」

「いつも自暴自棄に陥ってどん詰まりに堕ちていく問題行動よりも、壁にぶつかると自暴自棄になるという心の習慣を知ることが重要だ」

そのように自己分析できる人間は稀だ。また、ふとした瞬間に意識できても、それを変えることができる人もそうそういるわけではない。

知らずに固定化されて自分の無意識を支配する「心の習慣」は、一生続くこともある。



「このようなシチュエーションのとき、自分はこうしてしまう」というのは無意識の領域だ。そのため、ほとんどの人は心の習慣を意識することがない。

行動のパターンにある定型化したものがあった場合


誰でも何らかの「悪い習慣」を持つ。しかし、それが認識できていない場合がある。

自分がどんな「心の習慣」を持っているのか知りたければ、どうすればいいのだろうか。一番分かりやすく、しかも確実に自分の「心の習慣」を認識する方法がある。それは、こうだ。

「イライラしたとき自分がどんな反応を示すのかを考える」

世の中では、いろんな場面でイライラすることがある。

約束が守られなかった、時間が守られなかった、常識外れの行為に巻き込まれた、裏切られた、騙された、面倒を押しつけられた、自分のせいでもないものを自分のせいにされた、誤解された、激怒された、失敗した、間違った……。

そんなとき、私たちはどうしようもないほどのイライラを感じて、そんな感情から抜け出せなくなるときがある。

そんなとき、自分はどんな反応を示すのか。どうやって、そこから脱しようとするのか。どうやってイライラを鎮めようとするのか。

その心の動き、感情の動き、行動のパターンにある定型化したものがあった場合、それが自分の「心の習慣」なのである。

イライラしたとき、ゆっくりと深呼吸して冷静に状況を把握しようと考える習慣があるのならばいいのだが、そうでない人もいるはずだ。

八つ当たりしたり、物を壊したり、粗暴な口調になったり、極度に落ち込んだり、性的快楽で落ち着かせたり、過食したり、ドラッグに向かったり、自傷に走ったりしたいと考える人もいる。そして、それが習慣になっている人もいる。

イライラしたとき自分がどんな反応を示すのかを考えると、そういえば自分は「いつもこんな反応をしている」と思い当たるものがある。

それが悪い習慣でなかった人は幸せだ。それが悪い習慣だった人は、気付いただけでも幸せだ。自分が認識できないまま自身を滅ぼしてしまう習慣が続くのが、一番まずい状態だ。

世の中が自分の思う通りになることなど絶対にない。むしろ、思い通りにならないことも多い。そんな中で破壊的な行動を起こさないためにも、自分が持つ習慣を振り返るのは重要な「習慣」であると言える。(written by 鈴木傾城)


このサイトは鈴木傾城が運営しています。本文を他サイトへ無断転載する行為は固くお断りします。この記事の有料転載、もしくは記事のテーマに対する原稿依頼、その他の相談等はこちらにメールを下さい。



世の中が自分の思う通りになることなど絶対にない。むしろ、思い通りにならないことも多い。そんな中で破壊的な行動を起こさないためにも、自分が持つ習慣を振り返るのは重要な「習慣」であると言える。


〓 関連記事





















ツイッターで鈴木傾城をフォローして頂くと、執筆・更新状況などが総合的に分かります。