閲覧注意
私たちはインドやパキスタンで、女性たちがアシッド・アタックを受けていることを知っている。(酸攻撃。被害報道が女性をさらに危険に落とす地獄の悪循環

パキスタンのイスラム原理主義者は、イスラムの法を守らない女性や、自分の言うことを聞かない「生意気な女」には、アシッド・アタックでモノを分からせるという残虐な方法を取ってきた。

強酸で顔を焼かれた女性の顔は、もう二度と元に戻らない。

女性は、一生、顔面の損傷と、苦痛と、精神的なダメージに苦しみながら生きていかなければならない。だから、それは「見せしめ」として強い効果を得ることができる。

こうした犯罪は、インド圏だけでなく、イラン等の中東圏でも起きている。東南アジアではカンボジアでしばしば起きるので有名だ。

私、鈴木傾城がカンボジアに沈没していた2000年前後、タット・マリナ事件が起きていた。

私が「アシッド・アタック」という犯罪を知ったのは、これが最初だったので、大きな衝撃を受けたものだった。(バイオレンス。カンボジアに渦巻く暴力の裏に何があるのか


アシッド・アタックが先進国に上陸している?


こうした残虐な犯罪は「途上国でしか起きないはずだ」という意識は先進国の人間にはあった。

途上国は人権意識が希薄な上に、危険物の扱いもルーズなので、だからこそ強酸が簡単に手に入ってこのような事件が起きてしまうのだ、というのが先進国の人たちの意識だった。

しかし、最近はEU諸国を中心に、こうした意識が徐々に消えつつある。そして、このような意識に変化していこうとしているのである。

「途上国どころか、先進国でもアシッド・アタックが爆発的流行してもおかしくはないのではないか……」

なぜ、このような意識の変化が起きたのか。それは、イギリスでアシッド・アタックが多発しているからである。イギリスでは2012年にはすでに183件のアシッド・アタックが発生していたのだが、これが2016年になると504件に激増していた。

ロイターでは2014年12月にアンドレアス・クリストフェロスというごく普通の市民がいきなり見知らぬ男からアシッド・アタックされるという目に遭った。何があったのか。

犯人たちは自分の家族がレイプされたので復讐を思い立ったのだが、肝心の住所を間違えてまったく無関係のクリストフェロス氏にアシッド・アタックしてしまったのである。

「まぶた失い眠れない」英国で急増する酸攻撃の恐怖
https://jp.reuters.com/article/uk-acid-idJPKBN1AK0F7

クリストフェロス氏は12回も顔面再建手術を受けたが、それでも「瞼(まぶた)がなくなって眠れない」という絶望的な体験の中で苦しんでいる。

最近では、2017年6月21日に、ロンドンのベックトンで、車を待っていたひとりの女性が、突如として見知らぬ男にアシッド・アタックされて顔面を破壊されてしまった。

この日は彼女の21歳の誕生日だった。犯人は自首したのだが、まったく反省の色はなく、法廷では傍聴席に向かって投げキスをして喜んでいた。この事件については、「BLOGOS」で木村正人氏が取り上げている。

一生つきまとう悪夢 酸で顔や体を狙う”アシッド攻撃”がイギリスで激増
http://blogos.com/article/235631/



アンドレアス・クリストフェロス氏。犯人たちは自分の家族がレイプされたので復讐を思い立ったのだが、肝心の住所を間違えてまったく無関係のクリストフェロス氏にアシッド・アタックしてしまった。

アシッド・アタックは相手に恐怖を与える武器?


イギリスではインド圏や中東圏から多くの移民・難民が入り込んでいるのだが、そうなれば当然のことだが、これらの国々で起きていた犯罪が持ち込まれるのは当然のことだった。

テロだけが問題ではない。社会の底辺ではレイプも強盗もアシッド・アタックも、すべて途上国並みに起きるようになっているのである。

そして、こうした事件が起きて事件が大きく報道されるようになっていくと、今度は「アシッド・アタックは被害者を苦しめるのに有効だ」と多くの犯罪者たちが認識するようになり、その攻撃を模倣するようになっていく。

どんな事件でも、それが大きく報道されればされるほど模倣犯が増えていくものだが、アシッド・アタックも例外ではなかったのである。

それがイギリスで起きていることだ。

イギリスではすでにケイティ・パイパーという当時24歳だったモデルが2008年にアシッド・アタックされて大きな社会問題となったことがある。(ケイティ・パイパー。アシッド・アタックから立ち直った女性

そこからイギリスは、アシッド・アタックが増えていく土壌ができあがっていたと言っても過言ではない。

最近のイギリスの犯罪組織は、ナイフや銃よりも相手に恐怖を与えられる最上の武器としてアシッド(強酸)を敢えて選んでいる。

敵対者を永遠に苦しめることができる。自分に刃向かう人間を永遠に破壊することができる。だから、憎悪に取り憑かれた人間がアシッド・アタックを選択する。

インド圏やパキスタンのような国では、若くて美しい女性がアシッド・アタックの被害者になるケースが多い。それは女性に振られた男が異常なまでの怒りを持ち、「俺を振るなら破壊してやる」という身勝手な感情にとらわれるからだ。

死ぬまで被害者を苦しめる。そこにアシッド・アタックという犯罪の狂気がある。



アシッド・アタックされた女性。敵対者を永遠に苦しめることができる。自分に刃向かう人間を永遠に破壊することができる。だから、憎悪に取り憑かれた人間がアシッド・アタックを選択する。

有名な女性が被害者になった時に時代は変わる


ところで、この残虐極まりない「アシッド・アタック」という犯罪は日本人には他人事なのだろうか。日本では起きることは絶対にないのだろうか。

いや、顔面を完全破壊するアシッド・アタックは日本で起きないとは断言できない。

2018年2月14日。FNNはある短い記事を流している。東京上野周辺で起きた客引きグループたちの抗争の中で、アシッド・アタックが使われたというものだ。

客引きライバルに硫酸 男ら逮捕
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00384825.html

2015年5月に、台東区上野の路上で客引き行為をめぐるトラブルから抗争が発生し、これらのグループが互いに相手を報復攻撃している中で、アシッド・アタックをしていたというのだ。

意図的に、相手に大きな被害を与えるためにアシッド・アタックが選択されている。

全世界で起きている事件は必ず日本に入ってくるという確信はあったが、いよいよ日本で「アシッド・アタックが起きてきた」のである。

この事件は被害者が底辺のチンピラであるが故に多くの人々は明日になれば忘れていく。そのため、それほど大きなインパクトにはならない。

日本でアシッド・アタックが定着するとすれば、「有名な女性」が被害者になる時だ。

その瞬間、1億2000万人の日本人のすべての目がアシッド・アタックという犯罪の凶暴さを知り、そして大きなショックとトラウマが発生する。

そして、そこから「アシッド・アタックは被害者を苦しめるのに有効だ」と多くの犯罪者たちが認識するようになって、それは模倣され、広がっていくのである。

我が日本でこんなものが広がって欲しくない。日本女性は犠牲になって欲しくない。

しかし、「アンダーグラウンドでアシッド・アタックが使われ出した」というのは軽く見るべきではない。



バングラデシュで、パキスタンで、イランで……。多くの女性がアシッド・アタックの被害に苦しんでいる。こういった残酷な犯罪は日本にも入り込んで来ている。



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