29歳でデリヘルの仕事に入って30歳の誕生日前に辞めた女性の話を聞いた。

彼女はそれまでずっと表側の世界で生きていて、風俗や水商売の世界には関わったことがなかった。学生時代も真面目一辺倒で、援助交際などもまったく経験がなかった。

恋人は何人かいたが結婚には至らなかった。本人もそれほど結婚を意識していなかったこともあり、あと一年で三十路に入るというところにまで到達した。このとき、彼女は急にこのように思ったと私に述懐した。

「せっかく女に生まれてきたのに、このまま身体を腐らすのはもったいない」

彼女が言いたかったのは、「女として生まれたからには、その肉体で女としての存在意義を確かめたかった」ということだったのだ。

だから彼女は一年という区切りをつけて、まったく知らなかった風俗という世界に飛び込み「女としての存在意義」を存分に確認していたのだった。金のためでもなく、快楽のためでもなく風俗に飛び込む女性がいるのだ。

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彼女がアダルトビデオの世界に入ったのは「親のレールに沿った人生を送りたくない」というものだった。彼女も金のためにセックスワークに入り込んだのではない。(鈴木傾城)

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